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Digital Dentistry

多くの方が、歯医者では今も昔ながらの粘土を使った型取りをしていると考えているかもしれませんが、実は歯科診療もデジタル化が進んでいます。それにより最新の技術を駆使して、不快感を伴う従来の型取りを写真技術を応用した口腔内スキャナで行うことが可能になりました。私たちのクリニックでは、デジタル歯科の先駆者である丸尾院長が、患者様にこの革新的な診療体験を提供しています。

01.デジタル歯科とは

デジタル歯科は、テクノロジーの進展により、デジタル技術が応用された歯科治療の新しい分野です。2000年代初めにCAD/CAM技術が導入され、ジルコニアなどの強度を持つセラミック材料の加工が可能になりました。これにより、セラミッククラウンやインレーなどの技工物の製造が大きく発展しました。CAD(Computer-Aided Design)とCAM(Computer-Aided Manufacturing)により、従来技工士が行っていた手作業をコンピュータでデザインし加工することが可能になりました。この技術革新により、技工士の作業工程や時間が短縮され、劣悪といわれた技工士の労働環境が改善されました。しかし、この時代のデジタル技術の活用は技工物製造に留まり、患者様に直接的な恩恵をもたらすものではありませんでした。

02.口腔内スキャナとは

2010年代に入ると、特に欧米で口腔内スキャナという革新的なデジタル機器が登場しました。これは従来の粘土を使った型取りに代わるもので、デジタルスキャン技術によって型取りを行う新しい方法です。口腔内スキャナの最大の利点は、なんといっても型取り時の不快感がなく、処理時間が大幅に短縮されることです。従来の方法では嘔吐反射を引き起こすことがありましたが、口腔内スキャナを使用すると、そのような問題は発生しません。また、粘土が固まるまでの待ち時間も不要で、スキャンはたった1〜2分で完了します。
しかし、この口腔内スキャナは欧米では広く普及しているものの、日本ではまだ普及率が5〜10%程度と言われており、10軒の歯科医院のうち1〜2軒程度でしか見られない状況です。この遅れの理由としては、高額な機器であることと、保険治療での利用が認められていないことが挙げられます(2021年現在)。そのため、日本での口腔内スキャナの利用は、セラミック治療、矯正治療、インプラント治療などの保険適用外の自費診療に限られています。保険適用の可能性については噂されていますが、まだ確定的な情報はありません。

口腔内スキャナの利点は、不快感の軽減にとどまらず、患者体験(Patient Experiment:PX)そのものを変えることにあります。例えば従来の歯科医院では、レントゲンを用いてお口の中の状況を説明されることが一般的ですが、口腔内スキャナを使用すると、お口の中の状態を様々な角度から見たり拡大したりすることが可能になります。自分の口内を鏡で見ても詳細は確認できませんが、スキャナでの視覚的な体験には多くの患者さまが驚かれます。

03.審美セラミックのシミュレーション
Smile Design(スマイルデザイン)

口腔内スキャナは現在型取りとしての機能だけではなく、様々な機能が搭載されています。当院で使用しているデンマークの3Shape社製TRIOS4は、わずか2枚の写真から術前と術後のシミュレーションを行うことができる優れものです。これは、特に審美セラミック治療の計画段階で活用され、「Smile Design(スマイルデザイン)」と呼ばれています。この技術により、歯の色、形、大きさを自在に調整し、理想的な歯の形状をデザインすることが可能です。

シミュレーションの前後の動画を、その場で患者さまの携帯にも送ることができますので、家に帰ってご家族とも相談していただくことが可能です。審美歯科治療における多くのトラブルは、患者様と歯科医師の間でゴールを共有できていないことが起因となっています。当院では、デジタル技術を最大限に活用して、患者様と最終目標を共有してから治療を開始することに努めていますので、短期間で満足のいく仕上がりを提供しています。

04.矯正のシミュレーション
Treatment Simulator
(トリートメントシミュレーター)

矯正治療においても、口腔内スキャナを使用して型取りを行うと、最終的な歯並びの状態をシミュレーションで視覚化することができます。これはあくまでシミュレーションですが、患者様は治療終了後の大まかな歯並びを予め確認することが可能です。

05.精密インプラントのための
Guided Suregery(ガイデッドサージェリー)

インプラント治療では、デジタル技術が大いに役立ちます。手術前のCTスキャンと口腔内スキャンにより、インプラントの正確な位置を事前にシミュレーションできます。これにより、インプラントの埋入位置を精密に決定するためのサージカルガイドの製作が可能になります。

以前は、CT撮影のための型取りやサージカルガイド製作のために、手術前に複数回来院する必要がありましたが、デジタル技術の活用により、1回の来院で事前の準備が完了し、次回来院時に手術を実施することが可能になりました。この進歩は、患者さんの来院回数を減らし、治療プロセスを効率化しています。

06.インプラントの上部構造
(かぶせもの)の型取りDigital Impression
(デジタルインプレッション)

インプラントが骨に適切に結合した後、噛む部分の被せ物の製作にも口腔内スキャナが役立ちます。従来の方法では硬化するシリコンを使用し、5〜6分の固まる時間を不快に感じながら待たなければなりませんでした。加えて、シリコンが固まった後の型取りの取り外しは困難で、時に痛みを伴うこともありました。しかし、口腔内スキャナを使用すると、専用のキャップに交換しスキャンするだけで型取りが完了します。上下の歯と噛み合わせのスキャンを合わせても10分以内に終了し、不快感や痛みを伴うことはありません。特に嘔吐反射を持つ患者様には自信をもってお勧めします。

07.その日に被せ物が完成 One Day Treatment
(ワンデイトリートメント)

当院では、最新の口腔内スキャナTRIOS4を使用しており、このスキャナにはAIによって、その場で被せ物のデザインができる機能が備わっています。院内にミリングマシンなどの加工機があれば、型取りしたその日にインレー、クラウン、仮歯などの被せ物を装着することが可能です。
結婚式、旅行、海外出張などで治療期間に制約のある方も、ぜひご相談ください。